コンプレッサーを使い分ける!タイプ別コンプの特徴

コンプレッサーの種類

コンプレッサーを使い分けてミックスやマスタリングの精度をあげよう

コンプレッサーは簡単に説明すると、設定した音量を超える音量が出た際にはみ出した部分の音を圧縮し、全体の音量バランスを整えたり、聞こえづらかった小さな音を目出させ、音量を大きくするようなエフェクトで、ミックスやマスタリングの際に使用します。詳しくは以下の記事などを読んでいただければわかりやすいかと思います。

【初心者用コンプ講座1】そもそも何故コンプレッサーはミックスで使われるのか?【エフェクター】 | 1176に火を入れる
何故そうなるのかは未だに解明されていないのですが、ヒトはDTMを始めて数か月経つと「コンプレッサーというエフェクターを使うと曲が聴きやすくなる」という知識をどこからともなく自動的に得ます。男子中学生が自然と自室にティッシュ箱を置くようになるのと、どこか似ていますね。 その後の展開も大体の場合において同じです。「コンプ ...

最近では音楽スタジオに設置されているような名機と呼ばれるようなコンプレッサーがソフトウェアとして発売されています。今回はそんな実機をモデルにしたアナログ系コンプの代表的ないくつかのタイプに分類してその特徴について勉強して行きたいと思います。

コンプレッサーのタイプ

FET(トランジスタ)

FETコンプ

引用:1176LN Classic Limiting Amplifier

FETとは電解効果トランジスタ(Field Effect Transistor)の略で、抵抗による電流の制御ではなく、入力された電圧によって電流を制御するタイプのものです。

引用:【HAPPY SUMMER 第2弾】動作原理を理解し、コンプを使いこなす !

代表的な実機はUniversalAudioの1176。とにかく反応が早いことが特徴です。アタックが強めの打楽器などとの相性がいいようです。

【特徴】
・反応がはやい
・アタック、リリースを早く設定出来る
・打楽器やギター、ボーカルなどアタックが重要なパートに向いている
・通すだけで倍音が生まれる
・ロック系などでおすすめ
・パラレスコンプでの使用(コンプ音と原音を混ぜる手法)
・スレッショルドがなく入力音量で調整
【避けるべきシーン】
・透明感のあるサウンド
・楽曲全体への使用
・ストリングスなどのソフトな音

OPT(光学式)

optコンプ

引用:Teletronix LA-2A Classic Leveling Amplifier

入力された信号(電流)でLEDを光らせます。そうすると音の大小が光の大きさになります。フォトセル(cdsセンサー)がその光の大小によって電流を発生させます。わかりやすく言えば、フォトセルは太陽電池のようなものなので、光の強さを電力量に変換していると言えます。

引用:【HAPPY SUMMER 第2弾】動作原理を理解し、コンプを使いこなす !

代表的な実機はTeletronix LA-2A。反応が遅いのが特徴でソフトで自然なかかり具合が特徴。なめらかに音量を整えることができます。

【特徴】
・アタックやリリース、レシオ(通常3:1)が固定
・かかり方遅め
・自然に音量を整えることが出来る
・ボーカルやストリングスなどのアコースティックな楽器
・ボーカルのかけ録り
・バラードなどのゆったりとした曲
【避けるべきシーン】
・パンチ感のある圧縮
・急激なピークの圧縮

VCA

VCAコンプ

引用:Exacting emulation of this legendary, even infamous, VCA compressor.

簡単にいうと入力信号と出力信号の間に増幅器があり、通常この増幅器の回路の増幅率は一定ですがその増幅器に制御信号を送ってあげる事によって増幅率を変化させてあげる回路をVoltage Controlled Amplifier回路と呼びます。

引用:【HAPPY SUMMER 第2弾】動作原理を理解し、コンプを使いこなす !

代表的な実機はdbx160。音をまとめる事に向いていて、パスコンプと呼ばれれるドラム全体にかけたり、マスタリングで曲全体にかけるような使い方に適しています。もっとも一般的なコンプといえます。若干FETに似ていますが、FETのほうがアタックが早いことや倍音によるあたたかみや太さを出せる部分で異なります。VCAはあくまで透明でナチュラルな音向け。

【特徴】
・反応がはやく、キツめからナチュラルまで対応可能
・パートをまとめたバストラックやマスターへの使用に最適
・透明な音質
・大きなゲインリダクションが可能
【避けるべきシーン】
・アナログ的な温かみや太さを付加する

真空管(チューブ)

真空管コンプ

引用:The gold standard in vintage tube limiters ― captured for UAD and Apollo.

真空管式コンプは、回路の圧縮部分に真空管を用いるタイプです。反応は、FET、VCAよりは遅く、オプトよりは速いです。真空管ならではのあたたかなサウンドです。通すだけでも色がつきます。複数のパートをまとめるバスコンプに適しています。

引用:コンプレッサープラグインおすすめ15選!種類・選び方も解説【2020年】

実機はFairchild660、670でビートルズなども使用。様々な解説を読んだ感じだと、FETをとVCAをあわせてマスターやバスバストラック用に使えるといった感じでしょうか?「真空管独特の~」という部分が好みが分かれる部分になってくるかもしれませんね。

【特徴】
・反応速度は中程度
・真空管独特の温かみ
・倍音付加の為に通すだけでも利用される
・パートをまとめたバストラックやマスターへの使用に最適
【避けるべきシーン】
・パンチ感のある圧縮
・急激なピークの圧縮

最後に

DTMをはじめると、コンプの話を大変よく耳にするようになります。空間系や歪み系のエフェクトに比べて派手な変化などがあるわけではないですが、かなり重要なエフェクターです。筆者もまだまだ使いこなせていないんですが、今回まとめた内容を参考に色々なコンプを使い分けて使ってみていただければと思います。